■研究目的
東南アジア,中国の経済発展に伴う急激な都市化と人口集中,およびエネルギー消費の増大は,地球環境の悪化の原因にもなっており,エネルギー消費量の削減および環境負荷の軽減により持続性の高い社会を構築することが急務である。
通風換気分野では,民生用空調エネルギー消費量の削減を目的として,自然通風エネルギーの高度利用のための通風・換気設計法の研究開発やアジアパシフィック地域の気候に適合した自然通風・放射併用型除湿涼房システムの開発など,環境負荷の少ない持続型社会の実現に向けた研究を推進する。
■達成目標
通風・換気マクロモデル(エネルギー定量評価)と非定常人体熱バランスモデル(温熱感覚評価)を融合させた評価モデルを開発,提案し,それに基づく自然の風を利用したサステイナブル建築物の通風・換気設計法を構築する。またAPEC地域の気候と人体特性に適合した自然通風放射併用型除湿涼房システムを開発するとともに,VORTEX-Winds EVOの枠組みのための解析設計モデュール・自然通風換気設計データベースを構築する。
■研究の実施計画
[2008年度]
・空調システムシミュレーションによる自然通風利用建物の省エネルギー効果の定量評価
・人工気候室の被験者実験による人体の発汗・蒸散及び放射・対流熱交換の測定
・自然通風除湿空調のためのAPEC地域の気象データ調査とフィージビリティスタディ
[2009年度]
・通風気流のゆらぎによる発汗、蒸散を考慮した人体熱バランスモデルの開発
・外壁に組み込んだ自然通風、除湿モデュールの開発
[2010年度]
・非定常人体熱バランスモデルによる通風時の温熱感覚評価
・APEC地域の気候を考慮した自然通風、放射併用型除湿涼房システムの開発
[2011年度]
・省エネルギー性と快適性を両立させる通風総合評価システムの開発
・自然通風、放射併用型除湿涼房システムの省エネ効果及び温熱快適性の検証
[2012年度]
・通風総合評価システムを用いた通風、換気設計法の提案とEVO知識データベースの構築
・自然通風、放射併用型除湿涼房システムの制御ソフトの開発と適用
■本プロジェクトの事業担当者およびグローバルCOE研究員
・本学大学院 建築学・風工学専攻 教授 大場 正昭
・本学大学院 建築学・風工学専攻 教授 水谷 国男
・グローバルCOE研究員 塚本 健二
・グローバルCOE研究員 Isaac Y-Fat Lu
・グローバルCOE研究員 Napoleon Enteria
■本プロジェクトの協力研究機関
・東京理科大学 教授 倉渕 隆
・新潟工科大学 教授 飯野 秋成
・関東学院大学 講師 遠藤 智行
・新潟青陵大学 非常勤講師 飯野 由香利
論文一覧(2008.04 〜 2009.03)
主要研究成果(2008.04 〜 2009.03, pdf format: 1.0MB)
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