■教育研究分野と内容: 本拠点では,耐風構造,通風換気,風環境・空気汚染の 3 分野の専門家を有機的に組織して,風による都市・建築物への工学的影響を総合的に教育研究する。耐風構造分野では,台風や竜巻災害の低減を目的とした機動的強風観測, GPS 風応答モニタリング・ネットワーク化, EVOによる合理的な耐風設計法の開発等の研究を推進する。通風換気分野では,民生用空調エネルギー消費量の削減を目的として,自然通風エネルギーの高度利用のための通風・換気設計法の研究開発やアジアパシフィック地域の気候に適合した自然通風・放射併用型除湿涼房システムの開発など,環境負荷の少ない持続型社会の実現に向けた研究を推進する。風環境・空気汚染分野では,アジア諸国で深刻なヒートアイランド問題,建築物内外を汚染源とする都市空間の熱・空気汚染対策に関する研究を推進する。
■拠点形成体制: 主として研究や国際集会の開催を行う風工学研究センター,若手研究者,技術者の教育,訓練を行う APEC 強風防災センター, Newsletter や Bulletin の発行,教育研究成果,実験データベース,教育コンテンツ等の Web 公開など国内外へ情報発信する風工学技術情報室の3組織が有機的に連携して,風工学の教育研究を推進するとともに,米国ノートルダム大学・自然災害モデル研究所と連携協力して,仮想的工学組織 VORTEX-Winds の構築を図る。 VORTEX-Winds は,世界中の研究機関が分散所有している電子的空力データベース,耐風設計用データベース,強風被害データベースなどの解析設計モデュールや知識データベースをリアルタイムで共有,相互補完し,サイバーインフラ (CI) 技術を用いて,より強力に統合するための教育研究プラットフォームを地球的規模で実現させるものである。