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東京工芸大学
工学研究科建築学・風工学専攻
グローバルCOE支援室
〒243-0297
神奈川県厚木市飯山1583
TEL&FAX046-242-9658(直通)
E-mail:gcoeoffice@arch.t-kougei.ac.jp

風環境・空気汚染分野(2008年度)
1)都市空間の通風・換気効率と都市形態との関係に関する系統的風洞実験
都市空間の通風・換気効率と都市形態に関しては,代表的な臨海都市の街区として、香港の超過密地域および東京汐留〜新橋周辺を参考として街区モデルを作成し、建蔽率、容積率、建物高さのばらつき、 臨海部の高層建物群の配置等を系統的に変化させた風洞実験を行い、都市空間の通風・換気効率を調査した。その結果、建物高さにばらつきがある場合には、特に建物背後での風通しが大きく改善され、 街区内の気流温度も低くなることが明らかとなった。これは建物高さのばらつきによって鉛直方向の移流または乱流拡散が促進され、上空の冷たい気流が地上付近にまで輸送されるとともに、地表付近の 熱が効果的に上空へと排出されるためである。また、たとえ海に面して高層建物を屏風のように配置したとしても、歩行者レベルの風が弱まり気温が上昇するのは高層建物背後2H程度の範囲に限られ、 それより風下側では上空からの下降流のために、歩行者レベルの風速はむしろ増加し気温は低下することが明らかとなった。このようにヒートアイランド現象や汚染物質の拡散問題に対しては「水平方向 の風の道」だけではなく、「鉛直方向の風の道」を考慮することの重要性が確認された。

2)建物背後や街区内の非等温弱風流れ場を対象とした非定常流体数値解析手法の改良
非等温弱風流れ場を対象とした非定常流体数値解析手法に関しては、不安定成層中に立つ高層建物背後の弱風域における流れ場、熱拡散、汚染物質拡散に関するCFD解析を実施し、風洞実験結果との比較検 証を行った。今年度はk-ε系の乱流モデルによるCFD解析を行ったが、その解析結果は風洞実験結果と概ね一致するおのの、建物後方循環流の大きさや横方向への熱・汚染物質の拡散幅に関して予測精度が 不十分な面もみられた。これを改善するために非等温LESプログラムを作成し計算に着手した。現在は非等温LESの流入境界条件として必要となる非等温流入変動風を計算中である。