2004年11月19,20日の二日間にわたって国際ワークショップ「Regional Harmonization of Wind Loading and Wind Environmental Specifications in Asia-Pacific Economies (APEC-WW)」が開催された。APEC-WWの目的は、各国における風荷重に関する基準や風環境に関する条例などについて条例などについて情報を交換し、これらを発展させ調和を図ることであった。このワークショップには、APECの14の国と地域から24人の参加者を含めて、計70人が参加した。
　11月19日には小林信行学長と拠点リーダーの田村幸雄教授から参加者への歓迎の挨拶がなされ、風荷重や風環境に関する諸問題の情報交換や、基準などに関する協調の意義について説明がなされた。それから、本ワークショップのコンセプトに基づき、各国における現状について、その代表者からプレゼンテーションが行われ活発な議論が交わされた。このプレゼンテーションを通じて、参加者は各国の現状について互いに理解を深めることが出来た。
　11月20日には、参加者が風荷重と風環境の二つのセッションに別れ、より詳細な議論を行った。風荷重に関するセッションにおいては、各国から追加説明があり、設計風速や風振動による居住性について活発な議論が行われた。そして、APEC諸国における風荷重基準の調和と、設計風速が不連続な地域における調査の必要性が確認された。風環境に関するセッションでは、数人の日本人参加者から、屋外歩行者空間の風環境問題や大気汚染・室内空気汚染の問題について発表があり、議論が交わされた。各国の社会情勢に関係して、これら環境評価に対する相違点と類似点の存在が明らかとなった。
　この二日間のワークショップの結果、風荷重と風環境に関して、それぞれレゾリューションがまとめられ、本WEBサイトに掲載している。今回、本ワークショップを継続的に開催することが参加者により合意され、次回は香港で開催されることとなった。